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130年の歩み

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4.造船業の再興と計画造船 (昭和28年8月〜)

 戦後、わが国経済の復興をはかるうえにおいて、第二次世界大戦によって壊滅にひんした海運業の再建が急務であった。

 昭和22年、政府は、海運業の再建整備を急ぐため船舶公団を設立し復興金融金庫資金を投入して、公団・船主共有方式による計画造船を開始した。この計画造船は、24年から対日援助見返資金融資による船主単独建造、さらに28年からは日本開発銀行融資に改められたが、敗戦により軍需生産を打ち切られ低迷を続けていた造船業界にとっては、大量受注確保の道が開かれたため起死回生の策となり昭和20年代の造船業界の主導的役割を演じたのである。ちなみに、22年〜28年の建造許可量をみると、238万総トンのうち計画造船が実に168万総トン(70.5%)を占めている。

 戦後、漁船や炭車の生産から再開した三菱長崎造船所も昭和25年頃から、ようやく本格的な生産体制をととのえ、活況を呈するに至ったが、その主力は計画造船で圧倒的な比重を占めていた。

 こうした造船業の実情から、造船業に大きく依存する長崎の経済界は、計画造船の動向に重大な関心を払っていたが、とくに、政府の緊縮政策による第十次計画造船(昭和29年)の大幅削減と造船疑獄事件がからんだ決定遅延は、造船業界のみならず地域経済全般に深刻な影響を及ばすものとして経済界に大きな衝撃を与えた。

 こうした情勢のなかで、長崎商工会議所は、計画造船の拡大、地元受注の確保をはかるため、第9次から第11次計画造船にかけて活発な陳情、要望活動を展開した。さいわい三菱長崎造船所は施設、技術、信用、実績すべての面において他造船所よりすぐれていたため、毎次、大量受注に成功し30年代の輸出船ブームを迎えることになったのである。主な陳情、要望活動は次のとおり。

○ 昭和28年8月10日 ・第9次計画造船後期船の三菱長崎造船所への発注について
○ 昭和29年4月20日 ・第10次計画造船の可及的拡大と緊急実施について
・計画造船および保安庁艦艇の重点的発注について
・造船に対する国家助成策の継続強化について
○ 昭和30年1月13日 ・第11次計画造船の早期具体化と輸出船の助成について
○ 昭和30年2月9日 ・第11次計画造船の可及的拡大と速やかな割当発注について


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