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商工会議所の変遷

長崎商工会議所の変遷

9.社団法人長崎商工会議所の設立 (昭和21年10月)

 戦時中に、商工会議所に代わり国策協力機関として設立された長崎県商工経済会は、終戦による戦時経済体制の崩壊によって解散同然の状態にあったが、昭和21年10月、商工経済会法の廃止に伴い、全国各県の商工経済会ともども解散されることになった。

 これより前、すでに全国各地で商工会議所再建の動きが活発になっていたが、戦災・経済復興のため一日も早い商工会議所の復活を望んでいた長崎の経済界は、21年9月、中部悦良氏ら経済界有志が発起人となって設立発起人会を結成、さっそく社団法人組織による長崎商工会議所の設立準備を開始した。

 社団法人長崎商工会議所の創立総会は、同月30日、長崎県商工経済会で会員345人のうち124人が出席して開かれた。会議は、まず発起人代表中部悦良氏から設立準備経過が報告された後、同氏が議長となって議事に入り、定款、予算を原案どおり議決、ひきつづき常議員40人を選任して閉会した。その後10月8日に第1回常議員会を開催して役員選任を付議、会頭に中部悦良民、副会頭に小川嘉樹、脇山勘助の両氏ほか理事9人、監事2人を選任して、ここに新体制による長崎商工会議所の発足をみることになった。

 再出発した長崎商工会議所は、�_餔�の加入脱退は自由とする ��会費は強制徴収しない ��最高意思決定機関として会員総会をおくこととされ、商工業者の自主的な団体として民主的な運営をはかろうとするのが、戦前の会議所にみられない大きな特徴であった。


戦災からの経済復興に向けて

被爆直後、長崎駅付近より中町教会、長崎市役所方面を望む
被爆直後、長崎駅付近より中町教会、長崎市役所方面を望む

 終戦直前の昭和20年8月9日、広島に次いで史上二番目の原子爆弾の洗礼を受け、市北部を一瞬にして灰燼に帰した長崎市は、終戦当時、都市機能が完全に麻痺し、産業界の生産活動も停止同然の状態にあった。

 間もなく、産業界は生産活動を再開したものの、軍需生産を打ち切られた造船業・関連工業をはじめすべての産業が混迷を続け、三菱造船所さえ僅かに漁船の建造や炭車などの製作によって辛うじて操業を維持するありさまであった。

 昭和21年10月、こうした情勢のなかで長崎商工会議所は再出発したが、会員拡大、会費確保の見通しもつかず、その運営には多くの困難を伴った。そのうえ翌22年4月には、公職追放令により中部会頭、小川副会頭が就任間もなくして辞任に追い込まれるという悲運に遭遇した。

 しかしながら、脇山会頭ら会議所新首脳陣の郷土長崎の復興と商工業の再建にかける意気ごみはさかんであった。さっそく会員拡大運動を展開して会議所基盤の確立に努めるとともに、その総力をあげて戦災・経済復興対策に取り組むことになった。

 昭和22年度の事業計画をみると「長崎市産業経済の再建発展をはかるためには、地域経済の実態について綿密な調査を行ない、そのうえに立って組合的な施策を考究しなければならない」と強調し、とりあげるべき問題として(1)経済機構の改編 (2)財政・金融の調節 (3)物価の調整 (4)電力の増強 (5)石炭増産の促進 (6)輸送力の強化 (7)都市・港湾計画の推進 (8)経済道義の高揚 (9)労資協調の円滑などを掲げて積極的な姿勢を示している。

 こうして、戦後の長崎商工会議所の事業活動はスタートすることになったが、その中心となる事業は、意見活動と調査活動であった。商工業者の総意に基づいた会議所の公正な意見要望は適切な行政施策の確立と実行を促すことになり、産業界の実態、動向などに関する会議所の調査資料は具体的対策樹立のための貴重な資料として官民にひろく重用された。さらに、経済法令・金融・税務などに関する講習会・説明会を開くなど、中小商工業者の指導事業にも力を注ぐ一方、長崎経済復興会議の設置など各種産業団体間の連絡協調にもあたり、戦後経済の再建の過程で長崎商工会議所の果した役割はきわめて重要であった。


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